電気自動車の普及が世界各国の市場で進む中、自動車メーカーは自社のソリューションの効率性、航続距離、収益性の向上に取り組んでいます。これらの取り組みの背後にある共通項は車載バッテリーであり、技術、キープレーヤー、インフラなどの要素で構成される、広範かつ急速に成長するエコシステムの中核となっています。

バッテリーには最先端技術が採用され、EVの中で最も高価なコンポーネントであるため、自動車業界にとってはイノベーションと投資の焦点となっています。こうしたイノベーションによりエコシステムが成長し、バッテリーの製造や運用に特化した企業が増加してきました。また、新たなテクノロジーや、システム、パートナーシップの発表も一層頻繁に行われるようになっています。その結果、エコシステムの変化や新たな要素を追跡することがますます難しくなっています。

本書では、EV用バッテリーのエコシステムに関わる主要企業や技術を紹介し、バッテリーのライフサイクルにおけるイノベーションを促す要因に焦点を当てます。今日の主要なバッテリー技術についてわかりやすく説明するとともに、将来のバッテリー業界の展望についても考察します。また、バッテリーのリサイクルや再利用という最近のトレンドも取り上げ、その主要な取り組みやそれを支える技術について詳述します。