多くのOEMが自動車ラインアップに少なくとも1つの完全電気自動車のオプションを提供しており、その普及率が急速に伸び続ける中、EVは今やグローバルな自動車市場において欠かせない存在になりつつあります。EVの普及を加速させることを目的とした政府の今後の排出量目標を想定し、OEM各社は現在、EVのライフサイクルにおける2つの重要な分野、すなわちバッテリー技術と充電インフラに注力し始めています。
リン酸鉄リチウム（LFP）やソリッドステートバッテリーなど、新たなバッテリーイノベーションの研究をすでに進めている企業もあれば、充電ポイントオペレーター（CPO）、エネルギー・プロバイダー、食品・飲料会社などと新たなパートナーシップを結び、公共および民間の充電ソリューションを推進しようとしている企業もあります。これらの技術はすでにEVのライフサイクル全体で重要な役割を果たしており、自社のEVの顧客体験を向上させようとするOEMは、その重要性を認識し、継続的なイノベーションを実現する戦略を策定しておく必要があります。
本記事では、これら2つの分野に関する洞察を提供するSBDの調査レポート、「EV充電およびインフラガイド」と「EVのバッテリー技術とエコシステム」について深く掘り下げてご紹介します。両レポートの内容、それぞれの主な特徴や利点に加えて、2024年版に追加された新機能についても解説します。
217 - EV充電およびインフラガイド
EVの普及率が伸び続ける中、OEM各社はEVラインアップの範囲と規模を拡大し、政府はEVへの乗り換えを検討する消費者に対し様々なインセンティブを導入しています。今日、こうした動きは商業セクターにも影響を及ぼしており、フリート管理者やサービス事業者がEVへの切り替えを進め、EV充電ネットワークの構築への関心が再び高まっています。しかしながら、こうしたネットワークやEV充電インフラを取り巻くエコシステムは急速に拡大しており、その過程で複雑さを増しています。
本書「EV充電およびインフラガイド」では、拡大を続けるEV充電インフラの複雑な状況を紐解き、その足跡を追跡しながら、多くの地域における成長を明らかにします。こうした状況の深掘り分析を通じ、イノベーションを牽引するOEMのプロフィールをまとめるとともに、各社がこのイノベーションを実現するために採用しているビジネスモデルを紹介します。また、各地域におけるEV充電インフラのレベル、複雑さ、成熟度についても詳細な調査を行っています。
2024年の米国版とEU版には、充電設備の利用可能性についての意思決定を強化するのに役立つ、新たなオンラインツール「EV充電ロケーション分析プラットフォーム」へのアクセスが含まれています。また、2024年の新版として、カナダ、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリア、タイ、台湾などにおける充電インフラ整備状況をカバーするLATAM & APAC版の発行を予定しています。
219 - EVバッテリー技術とエコシステム
電気自動車の普及が世界各国の市場で進む中、自動車メーカーは自社のソリューションの効率性、航続距離、収益性の向上に取り組んでいます。これらの取り組みの背後にある共通項は車載バッテリーであり、技術、キープレーヤー、インフラなどの要素で構成される、広範かつ急速に成長するエコシステムの中核となっています。このエコシステムは成長を続けており、新たなプレーヤーの参入、新たなテクノロジー、システム、パートナーシップの発表も一層頻繁に行われるようになっています。その結果、エコシステムの変化や新たな要素を追跡することがますます難しくなっています。
本書では、EV用バッテリーの技術革新を加速させる主要なプレーヤーや技術を紹介し、バッテリーライフサイクルの各段階において技術革新を可能にする主要な要因にについて概説します。複雑で重要なバッテリー技術について掘り下げて解説し、将来のバッテリー業界の可能性についての洞察を提供します。また、様々なOEMのバッテリー戦略の有効性を評価し、バッテリーのリサイクルと再利用についての最新動向を探ります。このエコシステムの分析では、現在OEMと提携している既存および新興のサプライヤーやスタートアップについても取り上げます。
2024年版の本書「EVのバッテリー技術とエコシステム」では、新たにV2Gランキング、主要プレーヤーの取り組み概要、買収、特許に関する洞察を盛り込んだ「エコシステム」章、EV航続距離の伸びなどの動機とその推進要因や障壁を時系列で示す「将来展望」章などを追加し、最新の情報を提供します。また本書に付属する2024年版のExcelバージョンもアップデートし、EVバッテリー技術の現状に関する最新データと洞察が強化されています。
次のステップ
前述の通り、各レポートはEV充電インフラとEVバッテリー技術に関する重要な情報源となっており、今日のEVにおいて欠かせないこれら2つの要素に関する最新の情報を提供します。これらの情報を組み合わせることで、バッテリーのライフサイクルに関するより包括的な洞察を提供し、自社のバッテリー戦略の強化、将来にわたって有効な技術やイノベーションの実現を支援します。
本記事で取り上げた技術については、「EV充電およびインフラガイド」、「EV充電およびインフラガイド」の各レポート本編でより詳細に解説しています。詳細については SBD Automotive ジャパン（Postbox@sbdautomotive.com）までお問合せいただくか、下記ボタンをクリックし担当者との打ち合わせをご予約ください。